展覧会のお知らせ

<展覧会のお知らせ>

Galerrie SATELLITE
2019年1月15日-28日

2013年7月30日火曜日

大漁の奇跡

私、中学・高校がカトリック系の学校で、宗教の授業とかあったりしました。
これは、その時に使っていた聖書です。

「聖書」 日本聖書刊行会

「大漁の奇跡」はルカによる福音書 第5章に記述されています。


ルカによる福音書 画像はクリックで大きくなります

イエスは「話が終わると、シモンに、『深みに漕ぎ出して、網をおろして魚をとりなさい。』と言われた。するとシモンが答えて言った。『先生。私たちは、夜通し働きましたが、何一つとれませんでした。でも、おことばどおり、網をおろしてみましょう。』そして、そのとおりにすると、たくさんの魚がはいり、網は破れそうになった。」
-ルカによる福音書 55-7

この場面が、サウトマンの「Miraculous Draught of Fish」「魚類の奇跡的漁獲」に描かれていたのですね。

右上のところに囲みで「並行記事」と書き込みされています。
並行記事は同じ出来事が別の箇所にも書かれているという事です。
イエスが病人を癒したというこの逸話は、マルコによる福音書 マタイによる福音書にも書かれています。
マタイによる福音書

マルコによる福音書

ルカ・マルコ・マタイ福音書は並行記事が多く、マルコ福音書が一番古いので、ルカ・マタイ福音書は、マルコ福音書を参照して書かれたと言われています。

マルコ福音書以外にも資料があったという説があり、これは「Q文書」と呼ばれています。

ただ、現存しませんので、なぞの資料です。



一体、どれ程昔の押し花でしょう? 空恐ろしい・・


関連記事:「魚類の奇跡的牽引_サウトマン

12 件のコメント:

  1. みっちです。こんばんわ。
    流石にカトリックの教育を受けていると違いますね。
    みっちは聖書にある、この大漁の奇跡のことを、見落としていました。(呆)

    今改めて見ると、大漁の奇跡は、ルカだけでなく、ヨハネ(第21章)にもありますね。
    ただルカ福音書は、布教を始める最初の頃の話となっているのに、ヨハネ福音書はキリスト復活後の話になっています。
    それにしても、ルカの方で、なぜペテロは「私は罪人です!」と言ったのでしょうか。
    大漁に驚いて言ったにしては、妙な台詞ではないでしょうか。
    復活後の話であれば、この台詞は納得なのですが。(イエスを三度否んだ後だから)
    一方、ヨハネの方では、ペテロは復活後のイエスに初めて会うみたいなのに、何もそのことには触れないのも疑問です。
    (第21章は後世の加筆であるという話もありますね)

    返信削除
  2. 授業中は昼寝専門だったので、お恥ずかしいです・・。

    みっちさんがおっしゃる通り、この、二つの大漁の記事は、別の出来事として書かれていると思います。
    同じページで並行記事の説明があるのに、「大漁の奇跡」については触れられていないですしね。
    もちろん、既にお読みだと思いますが・・
    https://en.wikipedia.org/wiki/Miraculous_catch_of_fish

    「第一の大漁の奇跡」ルカによる福音書
    「第二の大漁の奇跡」ヨハネによる福音書
    そして、対で考えた方が良いですよね。

    いつもながら、どうもありがとうございます。

    絵画的に区別されているのは、
    第一の奇跡はキリストがペテロと同じ舟に乗り込んでいる。
    第二の奇跡は、キリストは湖畔にたたずんでいる。
    第二は寓話的に描かれているものが多いのに対し、
    第一は、「もう、魚、こんなに穫れちゃって大変!!」的に描かれてますよね。
    ですので、サウトマンのものは、かなり「大変!!」な感じですので、第一の奇跡を描いたものだと思いますが、いかがでしょう?

    返信削除
  3. それから、以下は全く私の勝手な解釈です。
    >なぜペテロは「私は罪人です!」と言ったのでしょうか。
    教会的な解釈をすれば、「自分は腕のいい漁師と自負していたペテロが、実は、その魚もそれを獲る自分も神からの賜りものだと気づいたから」という感じでしょうか。
    私はもう少し単純に「どうせ獲れないのに、先生がああいうからやってみるか」と思っていた自分を恥じた。ここでイエスへの呼びかけが「先生」から「主」に変わってますよね。

    そして、第二の奇跡は、この事の対比として書かれているように思います。
    第一の奇跡で、ペテロはイエスを「主」と呼び従うようになった。
    第二の奇跡を読むと、「イエスに気づかなかった(21-4)」り、「主であるときいて、湖に飛び込んだ(21-7)」り。
    ペテロの裏切りを、主として従った日と同じ事象で表現しているのかなと・・。

    返信削除
  4. 表現の中でちょっと気になったのは「網」です。
    第一では、「網は破れそうになった」、第二では、魚は一杯であったが、「網は破れなかった。」となっています。
    魚は弟子に喩えられたりするようですが、この網の破れは、ペテロの裏切りの予見で、復活したイエスは、そのような事も凌駕しているという事でしょうか。

    みっちさんがおっしゃるように、21章加筆説も多いようですし、153匹についても、いろいろ説があるようですね。

    中高生時代、もっと真面目に勉強しておけば良かった・・

    返信削除
  5. はい、ご存じのとおり、このサウトマンの版画は、ルーベンスの1610年の油絵のコピーなのですが、ルーベンスはもう一枚、大漁の奇跡を書いています。(1618-19年)
    http://www.nationalgallery.org.uk/paintings/peter-paul-rubens-the-miraculous-draught-of-fishes
    こちらの方は、はっきりルカの第一の奇跡ですね。なにしろイエスが船の上に乗ってますから。
    それから考えると、こちらの1610年の方は、イエスの姿が見えないので、ヨハネの第二の奇跡の方という気もしますね。

    返信削除
  6. うわぁ 本当ですねえ。これはまさにイエスが乗ってますね。
    そうなると、みっちさんがおっしゃる通り、1610年の方は第2の可能性が高そうですね。
    1618年の絵はどこかで見てると思いますが、何にも考えないで、ぼーっと見てました(恥)

    「シテエルへの船出」から、ここまでの事を整理整頓して、まとめようかなっと思って、振り返ってみると、みっちさんに教わったことばかりですね。
    本当にどうもありがとうございます。
    私のブログは、基本テキスト少なめ「Affiche」ですし、写真も大きくなりませんし・・。
    みっちさんのブログで、びっしっと記事にしていただく事はできませんか・・?(願)
    「大漁の奇跡」については、絵画の事も、福音書の事も、日本語ではほとんどめぼしい情報がないですよね。きっと、貴重な資料になると思います!

    返信削除
  7. みっちは、ただインターネットの検索をしただけなのです。
    キリスト者でもないしぃ。(汗)
    検索のやり方について、多少のスキル(ほんの少し)はあるかもしれませんが。
    麻衣さんのリクエストに応じて、どのような検索をしたか、という一連の経緯位は書けるかも知れませんね。

    ただ、いずれにせよ、現在読んでいるCity of Dark Magicが片付いてからになると思います。
    なにしろ、今、頭の中はすっかりプラハになっています。(笑)
    28%読んだところで、遂に主人公の身の回りで、殺人事件が発生!
    わくわくしています。(呆)この本はアタリだと思ってます。(^o^)

    返信削除
  8. 書き忘れたことが一つ。
    なぜ、サウトマンの版画は、オリジナルのルーベンスの絵の左右逆像になっているのでしょうか?
    絵画的に、この逆像の方が好ましいから?
    それとも、版画制作の過程で、反対にした方が作りやすかったから?(版画の作り方の知識がないので、イメージが湧かないのですが)

    返信削除
  9. >どのような検索をしたか、
    是非、知りたいですっ
    お手すきになったらよろしくお願いします。

    >City of Dark Magic
    はい
    もちろん読ませていただいてます。
    魅力的なプラハの街を舞台に、どんな謎解きがあるか楽しみです!

    返信削除
  10. サウトマンの版画はエッチングですので、銅版に防蝕剤を塗って、その上をひっかくように描きます。
    腐蝕剤に付けて、ひっかいた部分の銅を腐蝕させて、その溝にインクをいれて、プレス機でプリントします。

    サウトマンはルーベンスのオリジナルを模写して、それを銅版に描いたと思いますが、そのままプリントすれば完全に絵は反転します。

    現在なら、反転させた原画を模写する事は、難しくないと思いますが、当時は、それが出来なかったのかもしれないですね。

    返信削除
  11. みっちの素人考えでは、単純に下絵をトレーシング・ペーパーに書き、それを裏返して版木(といっても銅板か)に転写すればいいのかな、と思っていたのです。できない理由があったのかなぁ。

    逆像の方が、絵画的に良い、というのはなさそうですよね。

    >是非、知りたいですっ
    では、プラハが一段落したら。(笑)今Kindleのメーターで、70%位です。(嬉)
    主人公サラは大変なことになってますが、こういう手の小説は、あまりネタバレできないので、ブログの書き方は悩みます。(難)

    返信削除
  12. みっちさんが「美術に素人」だなんて、決して思いませんが・・。
    おっしゃる通り、トレーシングペーパーを使えば反転させるのは、簡単ですよね。
    当時の技法や、トレーシングペーパーの歴史とか、ちょっと調べてみますね。

    返信削除